KindleでPOD（プリントオンデマンド）出版する方法
Kindleペーパーバック出版のキホン
まず、KDP（Kindle Direct Publishing）での
ペーパーバック出版のキホンをチェックしましょう。
以下の3つをチェックしたら、
Kindleでのペーパーバック出版は大丈夫です。
- Kindleペーパーバック出版で作れる本
- 電子書籍版のKindle本との違い
- ペーパーバック版出版までの流れ
1つずつ、説明していきますね。
Kindleペーパーバック出版で作れる本
Kindleペーパーバックで出版できる本は、
いわゆる「ペーパーバック」というタイプの表紙カバーがない本です。
時刻表とか洋書でよく見るタイプの本ですね。
海外では、ハードカバーの本も出版できますが、
日本ではペーパーバックのみ出版できます。
電子書籍版のKindle本との違い
電子書籍版のKindle本との違いは大きく2つあります。
- 入稿するフォーマット
- 販売の収益率と価格設定
入稿するフォーマット
ペーパーバック版の入稿フォーマットは、
原稿も表紙もPDFファイルです。
ペーパーバック出版するには、
電子書籍用に作った原稿や表紙を、
PDFファイルに調整する必要があります。
販売の収益率と価格設定
ペーパーバックの販売による収益は、
以下の公式で決まります。
$${収益 = 売上の60％ - 印刷コスト}$$
電子書籍と違って、
印刷コストを払える金額にしてねってことです。
例えば、
108ページまでの本は、
印刷コストが一律400円と決まっています。
なので、
1,000円で販売したら収益は200円ですし、
一番安く販売するにしても667円が限界です。
$${(1000 × 0.6) - 400 = 200}$$
$${(667 × 0.6) - 400 = 0.2}$$
出版する本の収益や最低販売価格は、
KDPのツールで計算できます。
印刷コストおよびロイヤリティ計算ツール
ペーパーバック出版までの3ステップ
ペーパーバックを出版するまでの流れを紹介します。
元の原稿と表紙の元データを用意する
電子書籍と同じように
原稿と表紙の元データを用意しましょう。
ペーパーバック用に調整する
原稿と表紙の元データが用意できたら、
それぞれをペーパーバック用に調整します。
調整する順番は、
原稿→表紙の順番でやりましょう。
原稿のページ数によって、
表紙サイズ（厚み）が変わるので、
原稿が先になります。
KDPに入稿して出版する
原稿が完成したら、
KDPに入稿しましょう。
若干の違いはありますが、
電子書籍の入稿作業と基本的には同じです。
Kindle本の原稿をペーパーバック用に整える
Kindle本の原稿をペーパーバック用に整える方法を紹介します。
すでに、原稿がある前提で手順を解説します。
- ペーパーバック本のサイズを決める
- ページサイズを設定する
- ページの余白を設定する
- ヘッダーとフッターを設定する
- 印刷に合わせたページ調整をする
- PDFファイルに出力する
各ステップを説明していきます。
Wordで作成の方法です。
ペーパーバック本のサイズを決める
最初に、出版する本のサイズを決めましょう。
本のサイズはわりと自由に選べます。
（ここにサイズ）
手元にある本のなかで、
「この大きさが良い！」と思った本と
同じサイズにするのが良いでしょう。
もうチョットかく
Commentary paperback
ページサイズを設定する
本のサイズを決定したら、
ページサイズを設定しましょう。
「ファイル→ページ設定」
File page settings Word
Wordにないサイズに設定する場合は、
カスタムサイズから設定します。
ここでの余白は、
プリンターがどこまで印刷できるかです。
全部0mmで設定しましょう。
Word margin settings
ページの余白を設定する
「レイアウト→余白」で、
本の余白を設定しましょう。
Layout Margin Word
ユーザー設定の余白で、
調整するのがオススメです。
ページ設定で
「見開きページ」を選択すると、
本の内側と外側で余白を調整できます。
Facing page margin Word
わかりやすいように極端にしていますが、
左右ではなく内側と外側で
余白を設定できます。
Inside and outside, not left or right
ヘッダーとフッターを設定する
ページ番号をつけたり、
著書名を入れる場合は設定しましょう。
ヘッダーとフッターの設定は、
挿入タブからできます。
Headers and footers
「奇数/偶数ページ別指定」で、
奇数ページと偶数ページ異なる、
ヘッダーとフッターの設定もできます。
Different settings on the left and right pages
印刷に合わせたページ調整をする
出力する前に、
印刷に合わせたページ調整をしましょう。
この例では、
見出しのデザインと
章のはじめを左ページにする調整をしました。
Word adjusting for printing
PDFファイルに出力する
ファイルが完成したら、
PDFファイルに保存しましょう。
「ファイル→名前を付けて保存」で、
PDF形式を選択して保存します。
Save your name with a file PDF
設定したPDFのサイズによっては、
保存時に警告が出ますが、
無視して大丈夫です。
Kindle本の表紙をペーパーバック用に整える
ペーパーバックの原稿PDFができたら、
表紙のPDFを作成しましょう。
以下の手順で、ペーパーバック用の表紙が作成できます。
- 表紙テンプレートをダウンロードする
- 印刷枠の中に表紙をおさめる
- PDFファイルに出力する
順番に説明していきます。
本記事では、Canvaを使った方法を紹介します。
表紙テンプレートをダウンロードする
KDPにアクセスして、
表紙PDFのテンプレートをダウンロードしましょう。
出版する本の情報を入力したら、
表紙の各寸法に関する情報が表示され、
表紙のテンプレートがダウンロードできます。
Cover calculators and templates
テンプレートはzipファイルで、
解答すると以下3点が入っています。
- pdf形式のテンプレート
- png形式のテンプレート
- 使い方のtxtファイル
Downloaded templates
表紙サイズのキャンバスを作成する
Canvaを立ち上げて、
PDF用のキャンバスを作成しましょう。
カスタムサイズのキャンバスを開き、
サイズを指定します。
寸法の単位はmmに設定し、
全体の寸法をmmで入力します。
今回の場合、
308.07mm × 216.35mmが
全体の寸法になります。
use Template image
![[use Template image.webp]]
電子書籍用の画像から移植する
表紙用のキャンバスを開いたら、
電子書籍用に作った画像を移しましょう。
持っているファイルがjpgファイルだったら、
jpgファイルをアップロードしましょう。
Canvaに電子書籍用の作成データがある場合は、
電子書籍用の作成データを開きます。
作成データにあるパーツを
すべて選択しコピー&ペーストで、
ペーパーバック用のキャンパスに貼り付けましょう。
画像のサイズを調整する
移植した画像のサイズを、
ペーパーバックのキャンパスに合わせて調整します。
テンプレートの赤枠部分は、
裁断時にカットされる可能性があるので、
文字やロゴが入らないようにしましょう。
letters are up to the white part
裏表紙と背表紙を設定する
ペーパーバックでは、
裏表紙と背表紙も設定できます。
裏表紙は、
バーコードの位置にデザインが入らないように、
気をつけましょう。
それ以外は表表紙の作成と同じです。
背表紙にも、
文字を入れることができますが、
7ポイント以下の文字は使用できません。
文字サイズが小さくなる場合は、
背表紙は無地にしましょう。
KDPの文字ポイント規定
Completion of paperback cover
PDFファイルに出力する
ファイルが完成したら、
「共有→ダウンロード」から
PDFをダウンロードしましょう。
PDFは印刷用の高画質のものを選択します。
High-quality PDF for printing
KDPにファイルを入稿する
原稿と表紙のPDFファイルが用意できたら、
KDPに入稿しましょう。
基本的に電子書籍版の入稿作業と同じです。
ペーパーバックのコンテンツのところが
電子書籍と異なる部分です。
Paperback content
- 印刷版 ISBN
- 印刷オプション
- 原稿
- 表紙
- 本のプレビュー
- 価格設定
上記6項目について、順番に説明します。
印刷版ISBN
紙の本の出版にはISBNが必要です。
無料のKDP ISBNを使用しましょう。
独自のISBNの取得すると、
通常は手間や費用がかかりますが、
KDP ISBNは無料ですぐに発行されます。
Printed version ISBN
出版日
出版日は入力しないで大丈夫です。
Paperback Publication Date
印刷オプション
印刷オプションで、
ペーパーバック本の仕様を設定します。
インクと用紙のタイプ
用紙の色と、印刷カラーを決めましょう。
Ink and paper types
判型
判型はサイズのことです。
最初に決めたサイズを入力します。
Paperback format
裁ち落とし設定
テキストベースの本は、
「裁ち落としなし」が基本です。
裁ち落とし設定は、
ページいっぱいに写真を印刷するときなどに使います。
裁断マージン込みでPDFを作るので、
ページのサイズを少し大きくして作ります。
Bleed settings
ペーパーバックの表紙仕上げ
表紙の仕上がりを選択できます。
「光沢なし」「光沢あり」から
好きな方を選べます。
Paperback cover finish
ページを読む方向
ページを読む方向は、
本の横書きと縦書きに合わせて決めましょう。
横書きなら左から右で、
縦書きなら右から左です。
Direction to read the page
原稿
原稿はPDFファイルをアップロードするだけです。
ePubファイルと比べて、
容量が大きいので処理に時間がかかります。
Paperback manuscript upload
原稿ファイルに問題がなくても、
エラーが出ることがあります。
明確な理由が書いてない場合は、
再度アップロードしてください。
それでもダメなら、
PDFファイルを再作成しましょう。
表紙
表紙をアップロードします。
バーコードの質問欄は、
チェックを外しましょう。
Amazonでバーコードを挿入してくれます。
Paperback Cover upload
本のプレビュー
ペーパーバックは
本のプレビューが必須です。
エラーが出ていると、
赤枠で囲った部分に
エラー内容と表示が出ます。
Paperback preview
表紙だけじゃなくて、
原稿ファイルもチェックしましょう。
本の価格設定
本の価格設定です。
電子書籍版は
「税込価格」ですが、
ペーパーバック版は
「税抜価格」を入力します。
Paperback pricing
商品ページには
「税込価格」が表示されるので、
赤枠の欄を確認してください。
消費税は切上げなので、
販売ページと1円ズレることがあります。
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